厚生労働省は、令和5年4月分からの公的年金を68歳以上は1.9%、67歳以下は2.2%増額すると
発表しました。
令和5年度分ということですので、受け取りは6月からになります。
令和4年度は0.4%の引き下げだったので、うれしいニュースですよね。
でもこれ、物価上昇分には追い付いてなく、総務省が令和5年1月20日発表した2022年の消費者
物価指数は前年比2.5%の上昇で、これを基にした賃金変動率は2.8%でした。
賃金が物価を上回る場合は、賃金に合わせて年金額を見直すことになっていますので、本来は2.8%増と
なるはずです。
実質的には、67歳以下で0.6%の目減りになります。
これは「マクロ経済スライド」という仕組みが働くためです。
厚生労働省のHPによると「マクロ経済スライド」とは、将来の現役世代の負担が過重なものにならないよう、
年金保険料の水準を定め、その中で保険料等の収入と年金給付等の支出の均等が保たれるよう、時間をかけて
緩やかに年金の給付水準を調整することです。
具体的には、賃金や物価による改定率から、現役世代の減少と平均余命の伸びに応じて算出した「スライド
調整率」を差し引くことで年金の給付水準を調整します。
ということですが、簡単に言うと、給料も上がって物価も上がったから年金も上げたいけど、先のこと考えると
ガンガン上げていくってわけにはいかないよね。少し押さえます。ってとこでしょうか。
少子化が進み、寿命が延びると「スライド調整率」も大きくなってくるのは目に見えてますよね。
物価上昇に見合った年金の引き上げは年々難しくなるのは必至です。
これから年金を貰う世代の方は、年金に頼らない生活を考えないといけないようですね。
とはいえ、年金制度は他の預貯金や投資に比べ高配当で確実な制度ですので、制度そのものを否定することは
出来ません。
しっかりと年金を収め、プラスアルファーの収入または貯えを持てるようにしましょう。