今回は、思いやり就労支援センターのスタッフ向けに、再確認のために作ったミニ研修会の資料を基に、
利用者様に、障害者手帳取得を進める理由をお話します。
思いやり就労支援センターが障害者手帳の取得を勧める1つ目の理由は、就職に有利だからです。
なぜ有利なのかスタッフは気づいていませんでした。
話の発端はこうです。
前回の記事で紹介した、令和4年7月22日、大阪府主催の「障がい者企業面接会」
コロナ過以前のような合同面接会ではなく、完全予約制で3社のみという寂しいものですが、採用に
前向きな厳選された3社ともいえるでしょう。
さて、この面接会に利用者様の1人が参加を希望されました。
その利用様は障害者手帳を持っていません。
相談を受けたスタッフから障害者枠での就職に、障害者手帳は必修ではないはずですが、この場合は
いるのですか。」という質問をされました。
面接会のチラシには、持ち物に、「障がい者手帳のコピー」と明記されています。
「なら、いりますよね。」と答えたのですが、スタッフは納得がいかないようです。
ハローワークでも、障害状態であるという医師の診断書、意見書があれば、専門援助部門での登録が可能で、
障害者枠での募集に対し紹介状を発行してもらえます。
現に、この利用者様は障害者手帳がない状態でハローワークを通して弊社に就職しています。
弊社は就労継続支援A型事業所ですので、雇用契約を結び従業員として雇用しています。
ならなぜ障害者手帳がいるのでしょうか?
それは、なぜ、企業は障害者を募集するのか?を考えればわかります。
まずは、法定雇用率の確保です。法定雇用率を満たさなければ、罰則として雇用調整金を納付しなければ
いけません。これが一番大きいと思います。
この法定雇用率の対象者は障害者手帳を持っている従業員です。障害者枠での採用だけでは算定できません。
ですので、障害者手帳がなければ、雇用するメリットがかなり減ります。
他の助成金など、障害者枠での採用者を対象に支給されるものもありますが、一時的なもので継続的に
支給されることはありません。
企業側からすれば、障害者手帳を持っているか持っていないかは大きなな判断材料になるのです。
ここまで、就職に関しての話になります。
次に、思いやり就労支援センターが障害者手帳の取得を勧めうる2つ目の理由は、何度もお話しています、
障害者割引などお得なことがたくさんあるということです。
公的な障害者サービスは手帳がなくても受けれますが、観光地や携帯電話の割引などは、その場で見せられる
障害者手帳は必修です。
余談ですが、私のように人工関節を入れている場合、飛行機に乗るときなど人工関節がセキュリティチェックに
ひっかかったりします。
そんな時は障害者手帳が便利です。手帳を見せて説明すれば、ハンディータイプの金属探知機での確認で
納得してもらえます。
障害者手帳は少し大きくて携帯には不便ですが、あればいろいろと便利です。
持っていても、何も変わりませんし、黙っていれば周りの人に知られることもありません。
障害者手帳の取得をためらっている皆様、ぜひご検討ください。