思いやり就労支援センターの松岡です。
文部科学省が2012年に実施した調査では、発達障害の可能性のある児童の割合が
通常学級で6.5%だとされています。
これは、医師が診断した数ではなく、教職員などが評価したものですが、単純計算で、
1クラスに2人程度いるという計算になります。決して少なくない数の発達障害の人が
身近にいるということです。
発達障害は、大きく「自閉症スペクトラム」「注意欠陥多動性障害(ADHD)」
「学習障害(LD)」に分けられます。
ADHDや、LDに比べて、自閉症スペクトラムの人は、言葉の遅れや、他者の感情や、
場の空気が読めない、パターン化した行動などが、障がいの特性であり複雑です。
この「自閉症スペクトラム」についてですが、スペクトラム」は「連続体」という
意味で、いわばグラデーションのようなものです。
「自閉症の人」と「自閉症ではない人」の間に明確な境界線があるわけではないのです。
健常者や軽度の自閉症傾向の人から、重度の自閉症の人まで、連続的につながっていると
いう考え方が、この障害名の前提にあります。
特性の強さや現れ方に程度の差こそあれ、誰もがその特性を持っているということです。
自閉症スペクトラムは、先天的な脳の機能障害です。
外界の認知に偏りがあり、社会的コミュニケーションが苦手であったり、特定の物事に
強い拘りを示します。
その原因は解明されていませんが、何らかの遺伝的要因によるのではと言われてます。
「愛情不足」や「育て方」のせいであるという誤った認識から、ご家族がつらい思いを
されていることがありますが、それは断じて違います。
完治することはないと言われてますが、本人の特性に合った環境を作ることで、問題を
軽減させることはできます。
学校や、友達、仕事内容や、職場環境、生活の場を少し工夫すれば、楽に暮らすことが
できます。
また、その特性を言い形で生かせば、持ち味を発揮できるはずです。
大物政治家や一流アスリートに発達障害の傾向が見られるってよく言われますよね。
押さえつけるのではなく、伸ばすことも大事、つき抜けてしまえば、障がいも、尊敬に
値するということです。